トップ > 第14回 日本補完代替医療学会①

第14回 日本補完代替医療学会①

第14回 日本補完代替医療学会①

発酵タヒボのがん予防効果
■ 2011年11月5日~6日 石川県・金沢市
「Cancer Chemopreventive Effect of Fermented Taheebo」
Akira Iida and Harukuni Tokuda (Research and Development for Medicinal Plant)
【目的】
 発酵は、食品自体が本来持つ有効性や機能性を高めることができる、ある いは新たな機能を付加することができる有効な手段である。したがって、強力 ながん予防効果を有する南米原産Tabebuia avellanedea(通称タヒボ)に ついても、発酵により何らかの有効性の変化が期待できると考えた。今回、マ ウス皮膚二段階発がん実験を通して、その有効性の変化の検証を目的とした。
【方法】
 タヒボジャパンより供与されたタヒボ茶に繊維分解菌を加え、3日間60~70℃ に加温した。次に、乳酸菌、酵母菌、麹菌で2週間、5℃の低温発酵を行い、発 酵タヒボを得た。マウス皮膚二段階発がん実験にはICRマウスを用いた。マウ ス皮膚に発がん物質DMBA(100μg)を塗布し、一週間後、発がんプロモータ ーTPA(1μg)を週2回、20週塗布した。(ポジティブコントロール)。一方、TPAの 塗布前に発酵タヒボ(50μg)あるいはタヒボ(50μg)を塗布することにより、それ らのがん予防効果を調べた。
【結果】
 ポジティブコントロールでは、10週目にすべてのマウスにパピローマが発生し た。一方、発酵タヒボとタヒボで処理したグループでは、すべてのマウスに発生 するのにそれぞれ、15週と14週を必要とした。また、マウス一匹当たりに発生し たパピローマ数を、発酵タヒボとタヒボで処理したグループで比較すると、発酵 タヒボで処理したグループの方が有意な差でパピローマ数が少ないことが分 かった。
【結論】
 発酵によりタヒボに本来含まれる有効成分の含量が増加する、あるいは 新しい有効成分が生成する可能性が示唆された。また、タヒボの機能性向 上に発酵が有効な手段であることも示された。
PAGETOP