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米国癌学会2010(第101回)

米国癌学会2010(第101回)

パーオキシナイトライト誘発ブラジル産薬用植物タベブイアアベラネダエによるMAPK伝達系での抑制
■2010年4月17日~21日 米国・ワシントンD.C.
「Prevention of MAPK pathway by Brazilian medicinal plant, Tabebuia avellanedae on peroxynitrite induced carcinogenesis」
Harukuni Tokuda and Nobutaka Suzuki (Kanazawa University , Graduate School of Medical Science), Mitsuaki Yamashita and Masafumi Kaneko (Faculty of Pharmacy, Takasaki University of Health and Welfare) , Akira Iida (Faculty of Agriculture, Kinki University)
この研究はパオキシナイトライト(PN)で誘発される発がんにおけ るブラジル産薬用植物に関して、がん予防活性について試験をお こなった。タベブイア・アベラネダエ(TA)は地球上において、ブラジ ルから北部アルゼンチンに渡る南米に自生する樹木で、薬用植物 として、500年以上に亘って種々の疾患に対して伝承薬物として 使用されてきた。ブラジル産であるこの樹木の内部樹皮はアジアで は主に飲料茶として供給されている。基礎的な知見としてわれわ れの実験より抗酸化活性を含むこれら化合物がマウス皮膚二段 階発がん試験を用いて発がんイニシエーションとプロモーションに おいて抑制効果を示した、これらの研究として雌SENCARマウス(6 週令)をPNにて単回処理した後、さらに20週間TPA塗布を続けた。
腫瘍発生率、腫瘍個数は無処理の場合、実験終了時に100%と6 ~7個を示し、TAエッセンス、またはそこに含まれるNQ801をイニシ エーション前後2週間のみ処理すると、それぞれ60~70%の抑制を 示した。このことからTAまたはその素材はPNによる発がん誘発段 階に影響をおよぼすことが判明した。このデーターのさらに詳細な 検討として、ウエスタンブロット法を用いて解析した結果、H-Ras, MEK, P38段階での作用が認められ、とくにTA処理の皮膚では P38の発現が減少した。この知見の要約として、われわれはTAエ ッセンスとその素材のひとつの標的として、マウス皮膚ではMAPK 伝達の調整をおこなっていることが示唆された。
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