Cosm innoV 2010
タヒボNFDのヒト角化細胞増殖活性と抗炎症作用■ 2010年3月30日~31日 フランス・オルレアン
「Proliferation Effect of Taheebo NFD on Human Keratinocyte」
Tomihisa Ohta (Kanazawa University , Graduate School of Natural science & Technology) , Harukuni Tokuda (Kanazawa University , Graduate School of Medical Science)
タヒボ(Taheebo, Tabebuia avellanedae Lor.ex.Gris)は南米 産高木,タベブイア・アベラネダエの内部樹皮で,現地では、湿疹、乾 癬、真菌感染あるいは皮膚がんを含むいろいろな皮膚病の治療に 湿布薬または外用煎じ液(濃縮茶)として用いられてきた。天然薬 物として南米においては1000年以上にわたる利用歴がある。
本研究においては皮膚細胞に対するタヒボの効果を検証する目 的で,ヒト角化細胞の増殖促進作用及び抗炎症作用を評価・解析 した。
【ヒト皮膚細胞を用いる評価試験】
・皮膚細胞としてヒト角化細胞(ケラチノサイト)を培養し,細胞増殖 促進作用及び抗炎症作用を評価・解析した。
・細胞増殖はMTT法,抗炎症作用は炎症関連サイトカインIL-8 の産生量をエライザ法により評価した。
【耳浮腫テストによるTPA誘発炎症の抑制試験】
>陽性対照:TPA (5mg/ear) のアセトン溶液をICRマウスの耳の 内表面及び外表面に塗布した。
>被験サンプル:TPA処理5分後にタヒボNFD100mgを塗布し,1 日後に生じた耳の浮腫の状態を対照群と比較した。
【まとめ】
・タヒボ NFDはヒト角化細胞の増殖を促進した。
・タヒボ NFD は炎症関連サイトカイン IL-8 の産生を抑制した。
・TPAによって誘発される耳浮腫の抑制作用(抗炎症作用) を示した。
・ヒト角化細胞の増殖促進作用と抗炎症作用は,タヒボNFDの皮 膚保護作用や皮膚老化予防作用を示唆する。