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第129年会 日本薬学会②

第129年会 日本薬学会②

ブラジル原産Tabebuia avellanedea由来成分の抗腫瘍活性
■2009年3月26日~28日 京都府・京都市
「Antitumor activity of constituents from the Brazilian plant Tabebuia avellanedae」
Masafumi Kaneko and Mitsuaki Yamashita (Faculty of Pharmacy, Takasaki University of Health and Welfare), Harukuni Tokuda (Department of Biochemistry, Kyoto Prefectural University of Medicine), Bacowsky Helmut (Zentrum Nosomi Clinic) , Akira Iida (Faculty of Agriculture, Kinki University)
【目的】
Tabebuia avellanedea(Bignoniaceae:ノウゼンカズラ科)はブラジルか ら北アルゼンチンにいたる南アメリカに自生する樹木で、古くから様々な病 気に効果のある伝承薬として知られている。この植物の内皮はアジア等へ 輸出され、ハーブティーや健康食品として利用されている。近年、本植物が がんに効果のある医薬資源として着目されて以来、その成分研究が進み、 (S)-5-hydroxy-2(- 1-hydroxyethyl)-naphtho[2,3-b]-furan-4,9-dione( NQ801) 等のナフトキノン類やアントラキノン類が有効成分として報告されている。我々 はT.avellanedaeの抽出物やその成分であるNQ801がin vitroの系でTPA による発がんの化学予防効果を示すこと、またin vivoの系ではマウ ス皮膚二段階発がん試験において阻害効果を示すことを報告した。
T.avellanedae由来成分をがん治療に用いる際の安全性と信頼性につ いては未評価のままで、更なる活性の評価が求められるため、乳がん細胞 MCF-7に対する細胞毒性と増殖抑制活性を調べた。さらにこれらの医薬 資源の前臨床試験の結果についても報告する。
【結果】
T.avellanedae抽出物とNQ801がMCF-7細胞に対して、濃度依存 的に増殖抑制効果を示すことを見出した。細胞毒性に関しては、抽出物 では微弱な活性であったが、そこに含有する主たる活性成分である NQ801については強い活性がみられた。また、小規模な臨床試験にお いてもT.avellanedae抽出物がヒトカルシノーマに対して治療効果を示 すことが明らかとなった。
【考察】
T.avellanedae由来成分の効率的生産法の開発と、その生物活性 の解明により、本植物の医薬素材としての応用が期待される。
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