第129年会 日本薬学会①
ブラジル原産Tabebuia avellanedea由来活性成分の立体選択的合成および生物活性研究■2009年3月26日~28日 京都府・京都市
「Stereoselective synthesis and biological evaluation of bioactive constituents from the Brazilian plant Tabebuia avellanedae 」
Mitsuaki Yamashita and Masafumi Kaneko (Faculty of Pharmacy, Takasaki University of Health and Welfare), Katsumi Nishimura (Organic Chemistry, Kobe Pharmaceutical University), Harukuni Tokuda (Department of Biochemistry, Kyoto Prefectural University of Medicine), Bacowsky Helmut (Zentrum Nosomi Clinic) , Akira Iida (Faculty of Agriculture, Kinki University) , others
【目的】
ノウゼンカズラ科Tabebuia avellanedea( Taheebo) から単離された (-)-5-hydroxy-2-(1-hydroxyethyl)naphtho[2,3-b]furan-4,9-dione(1a) などのナフトキノン類に着目し研究を行っている1。化合物1a(NQ801)及び 位置異性体である1b(NQ901)は天然物からはごくわずかしか得られてこ ないために不斉合成法の開発を行った後に、抗腫瘍活性を中心とした詳 細な生物活性評価を行うこととした。
【方法・結果】
文献に従い市販の1,5-Dihydroxynaphthalene(2)を酸化して5- hydroxy-1,4-naphthoquinone (juglone)に変換した後、ジメチルアミンを用 いて酸化的アミノ化を行うと位置異性体が各々48%と10%で得られた。酸 加水分解、ヒドロフラン環構築、MnO2酸化を経て、各々の異性体をケトン体 3へと変換した後に、野依還元することで1a及び1bの立体選択的合成を 達成した。合成して得られた光学活性体1a, 1b、ケトン3a(NQ811), 3b(NQ911) のヒト腫瘍細胞に対する細胞毒性、がんの化学予防効果及び抗菌活性を 調べた。さらに1aの前臨床試験の結果も併せて報告する。