第11回 日本補完代替医療学会学術集会
天然資源であるTabebuia avellanedea成分を用いた後期段階生成物誘発発がんに対する予防作用とその解析■ 2008年11月8日~9日 神奈川県・横浜市
「Chemopreventive effects of Tabebuia avellanedae as natural original source against AGE induced carcinogensis and its analysis」
Harukuni Tokuda (Department of Biochemistry, Kyoto Prefectural University of Medicine), Mitsuaki Yamashita and Masafumi Kaneko (Faculty of Pharmacy, Takasaki University of Health and Welfare), Akira Iida (Faculty of Agriculture, Kinki University)
【目的】
糖尿病性合併症を起こすとされる後期段階生成物の進展予防が,最重要 な課題となってきている。そこでその予防の試験モデルとして後期段階生成 物を作成し,合併症のひとつとされる発がん性に対して,天然伝統薬用植物と して知られている,Tabebuia avellanedea成分を用いてその作用を検討した。
【方法】
市販のヒトアルブミンとグルコースを用いた後期段階生成物,Advanced glycation end-products(HAGE)を非酵素的に作成し,それを発がんイニシエーショ ンとした。その予防の検討として,Tabebuia avellanedae成分として市販され ている“TAHEEBO ESSENCE” HAGEが産生する段階を紫外線吸収スペ クトルで検討するとともに,マウスを用いたHAGEによる発がんに対する効果を 検討した。HAGEをアルブミン量として換算,100μgをマウス皮膚に塗布,その1 週間後よりTPAを1μg,週2回,20週間継続処理して腫瘍の発生を観察した。
HAGEを処理する前後1週間,合計2週間,を予防処理として“TAHEEBO ESSENCE” マウスに摂取させ,無処置群と比較した。またさらに詳細な検討とし て,タンパク質発現レベルでの検討も既存の方法を用いて解析した。
【結果・考察】
“TAHEEBO ESSENCE” をもちいて,後期段階生成物の産生段階,また産 生物での発がん段階での効果を検討したところ,産生段階では吸収スペクト ルによる差が認められ,メイラード反応段階での効果が確認できた。腫瘍発生 の検討でも発生腫瘍の減少が認められ,その特異タンパク質レベルでも変動 を確認できた。このことは従来のがん予防効果とともに,現在,注目されてき ている糖尿病合併症により誘発されるがんに対しても,作用することが示唆 される。