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第4回 日本腫瘍学会学術集会①

第4回 日本腫瘍学会学術集会①

異なった段階での異なった腫瘍を有するヒトでのタベブイア・アベラネダ抽出液の効果の調査
■2008年7月13日 東京都
「Investigation on effects of Tabebuia avellanedae extract by patients suffering from different forms of cancer in different stages」
Harukuni Tokuda (Department of Biochemistry, Kyoto Prefectural University of Medicine), Bacowsky Helmut (Zentrum Nosomi Clinic) , Akira
Iida (Faculty of Agriculture, Kinki University)
タベブイア・アベラネダエ(TA)は南アメリカのブラジルからアル ゼンチンに自生し、種々の疾患に効能があるとして500年に亘り 薬用植物としてよく知られている。この植物の内部樹皮はアジア では主に飲料茶として供給されている。以前にわれわれはTAの 抽出エッセンス(TAess)とそこに含まれるナフトキノンタイプ化合 物NQ801が、TPAを用いた試験管内短期検出法にて(がん予 防剤の試験)、発がんに対して抑制効果のあることを認めた。こ の研究ではヒト由来がん細胞を用いた抗腫瘍活性とマウスを用 いた小動物での抗発がんプロモーター活性に関してその評価を 進めた。われわれの抗腫瘍活性解析でTAess.は腫瘍の増殖に 対しては弱い細胞毒性を一方、その構成成分で内部樹皮に含 まれるNQ801処理での細胞毒性はTAの主たる成分であるラパ コール、TAess.よりも強い効果を示した。抗発がんプロモーター の効果のある作用を試験するために、われわれはマウス皮膚で の発がん系であるDMBA-TPAの二段階での効果を試験した。
SENCARマウスでDMBAで1回投与にて初発因子を誘発し続 いて促進因子としてTPAを20週間処理した。腫瘍発生率は100 % と腫瘍数はマウスあたり6~7である。今回の試験でがん予防 効果としてTAess.とNQ801を作用させると実験の終了時に約70 %の抑制効果が認められた。
さらなる試験で前臨床検討として、2グループ、12名の患者(9 名女性 3名男性、平均54.2歳)で異なったがんの形態を有す るもの、また11名の健康人(5名女性、6名男性、平均55.7歳)とに 120日間TAエッセンスを使用させた。血液パラメーターとして、0、30, 120の日について検査し、またQOLを欧州標準法にて行った。免 疫刺激、免疫抑制効果をリンパ細胞のサブセットで観察し、好酸 球細胞数とIgEレベル減少はTA成分の抗アレルギー状態の可 能性を示唆した。ヘマトクリット値と肝臓パラメーターと同様に陽 性効果として網状赤血球観察した。腫瘍促進の2名患者の腫瘍 マーカーの上昇も減少した。TAはまた代謝促進作用でセレトニン レベルの効果をさらに調査している。TA抽出をそれぞれ5gと30g の使用によりQOLと体重状態の改善を示した。副作用の効果は 認められなかった。これらの結果はTAとその活性成分である NQ801の抗腫瘍、抗発がん促進効果の確証とともに、われわれ の実験的代替医療に向けた試験の準備となると考えている。
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