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第128年会 日本薬学会②

第128年会 日本薬学会②

ブラジル原産Tabebuia avellanedea由来成分の構造と生物活性
■2008年3月26日~28日 神奈川県・横浜市
「Structure and Biological activity of constituents from Brazilian plant Tabebuia avellanedae」
Masafumi Kaneko, Mitsuaki Yamashita and Akira Iida (Faculty of Pharmacy, Takasaki University of Health and Welfare), Harukuni
Tokuda (Department of Biochemistry, Kyoto Prefectural University of Medicine)
【目的】
T.avellanedaeは、ブラジルから南アルゼンチンに至る南アメリカが原産 のノウゼンカズラ科の樹木である。古代インカの時代ではタヒボと呼ばれ、 様々な病気に効く民間薬として使用されていたと伝えられている。近年、 本植物ががんに効果のある医薬資源として着目されて以来、その成分 研究が進み、ナフトキノン類やアントラキノン類が有効成分として報告されて いる。その中でも特に、5-hydroxy-2(- 1-hydroxyethyl)-naphtho[2,3-b]- furan-4,9-dione (NQ801) は様々な腫瘍細胞に対して強力な細胞毒性を 示すことと同時に、強力ながん予防効果を持つことが知られている。本研究 では、NQ801および本植物に含まれる成分の生物活性評価を行った。
【方法】
T.avellanedaeのエタノール抽出物を各種クロマトグラフィーにかけて 得られた分画について、LCMS-IT-TOFにより分析を行い、NQ801の類縁 化合物を多く含むフラクションを明らかにした。このフラクションを分取HPLC により精製し、各種スペクトル解析によりNQ801類縁化合物群の構造の 解明を試みた。生物活性評価に関しては、天然由来あるいは合成した 化合物を用い、各種がん細胞に対する毒性試験、がん初期抗原発現抑制 試験、マウスを用いた抗腫瘍活性試験を行った。
【結果と考察】
NQ801類縁化合物群は各種がん細胞に対する細胞毒性を示した。
また、NQ801類縁化合物群は、Raji細胞におけるEBV-EA発現を抑制する ことが明らかとなった。さらに、NQ801類縁化合物群はマウスを用いた 実験においても抗発がん促進作用を示した。これらのことより、NQ801 およびその類縁化合物群はがん化学予防効果を持つ医薬素材として 有望であると考えられる。
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