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第6回 米国国際がん予防学会

第6回 米国国際がん予防学会

パーオキシナイトライト誘発ブラジル産薬用植物タベブイア・アベラネダエによるMAPK伝達系での抑制
■2007年12月4日~8日 米国ペンシルベニア州・フィラデルフィア
「Prevention of MAPK pathway by Brazilian medicinal plant, Tabebuia avellanedae on peroxynitrite induced carcinogenesis」
Harukuni Tokuda (Department of Biochemistry, Kyoto Prefectural University of Medicine), Akira Iida (Faculty of Pharmacy, Takasaki University of Health and Welfare)
この研究は、パオキシナイトライト(PN)で誘発される発がんにおける ブラジル産薬用植物に関して、がん予防活性について試験をおこ なった。タベブイア・アベラネダエ(TA)は、南米のブラジルから北部 アルゼンチンにかけて自生する樹木で、薬用植物として、500年以上 に亘って種々の疾患に対して伝承薬物として使用されてきた。ブラ ジル産であるこの樹木の内部樹皮は、アジアでは主に飲料茶として 供給されている。基礎的な知見として、我々の実験より抗酸化活性 を含むこれら化合物が、マウス皮膚二段階発がん試験を用いて発 がんイニシエーションとプロモーションにおいて抑制効果を示した、 これらの研究として、雌SENCARマウス(6週令)をPNにて単回処理 した後、さらに20週間TPA塗布を続けた。腫瘍発生率・腫瘍個数は、 無処理の場合、実験終了時に100%と6~7個を示し、TAエッセンス またはそこに含まれるNQ801をイニシエーション前後2週間のみ処理 すると、それぞれ60~70%の抑制を示した。このことから、TAまたは その素材は、PNによる発がん誘発段階に影響をおよぼすことが判明 した。このデータのさらに詳細な検討として、ウエスタンブロット法を 用いて解析した結果、H-Ras、MEK、P38段階での作用が認められ、 とくにTA処理の皮膚ではP38の発現が減少した。この知見の要約 として、われわれはTAエッセンスとその素材のひとつの標的として、 マウス皮膚ではMAPK伝達の調整をおこなっていることが示唆された。
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