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統合腫瘍学会~第4回 国際会議①

統合腫瘍学会~第4回 国際会議①

薬用植物タベブイア・アベラネダエとその構成成分による抗腫瘍、抗発がんプロモーター活性評価
■2007年11月15日~17日 米国カリフォルニア州・サンフランシスコ
「Evaluation for anti-tumor and anti-tumor promoting activity from herbal medicine, Tabebuia avellanedae and its constituents」
Harukuni Tokuda (Department of Biochemistry, Kyoto Prefectural University of Medicine), Akira Iida (Faculty of Pharmacy, Takasaki University of Health and Welfare), others
タベブイア・アベラネダエ(TA)は、南米のブラジルから北部アル ゼンチンにかけて自生する樹木で、薬用植物として、500年以上に 亘って種々の疾患に対して伝承薬物として使用されてきた。ブラ ジル産であるこの樹木の内部樹皮は、アジアでは主に飲料茶として 供給されている。以前に我々は、TAの抽出エッセンス(TAess)とそこ に含まれるナフトキノンタイプ化合物NQ801が、TPAを用いた試験管 内短期検出法(がん予防剤の試験)にて、発がんに対して抑制効果 のあることを認めた。この研究では、ヒト由来がん細胞を用いた抗 腫瘍活性と、マウスを用いた小動物での抗発がんプロモーター活性 に関して、その評価を進めた。我々の抗腫瘍活性解析で、TAess.は 腫瘍の増殖に対しては弱い細胞毒性を、一方その構成成分で内部 樹皮に含まれるNQ801処理での細胞毒性は、TAの主たる成分で あるラパコール、TAess.よりも強い効果を示した。抗発がんプロモー ターの効果のある作用を試験するために、われわれはマウス皮膚 での発がん系であるDMBA-TPAの二段階での効果を試験した。
SENCARマウスでDMBA1回投与にて初発因子を誘発し、続いて 促進因子としてTPAを20週間処理した。腫瘍発生率は100%と 腫瘍数はマウスあたり6~7である。今回の試験で、がん予防効果 としてTAess.とNQ801を作用させると、実験の終了時に約70%の 抑制効果が認められた。
この結果は、TAとNQ801の抗腫瘍と抗発がんプロモーター活性 が明確になったとともに、これにより我々はこの後続ける実験的統合 治療試験の戦略を考える上での基本的な知見を得ることが出来た。
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