乳がん研究会議2007

ブラジル産薬用植物からの抽出液とその成分の特徴について
■２００７年１０月１７日～２０日　米国カリフォルニア州・サンディエゴ
｢Anti-cancer properties of extracts and constituents from Brazilian medicinal plant」
Harukuni Tokuda (Department of Biochemistry, Kyoto Prefectural University of Medicine), Masafumi Kaneko and Akira Iida (Faculty of Pharmacy, Takasaki University of Health and Welfare)
悪性の乳がんならびに米国での女性の中で発生する主たるが んとして記述されており、毎年、世界各国でこの患者の割合が増 加することが報告されている。タベブイア・アベラネダエ(TA)は、地 球上においてブラジルから北部アルゼンチンに渡る南米に自生す る樹木で、薬用植物として、500年以上に亘って種々の疾患に対し て伝承薬物として使用されてきた。ブラジル産であるこの樹木の内 部樹皮は、アジアでは主に飲料茶として供給されている。以前に われわれは、TAの抽出エッセンス(TAess)とそこに含まれるナフト キノンタイプ化合物NQ801が、TPAを用いた試験管内短期検出法 （がん予防の試験）にて、発がんに対して抑制効果のあることを認 めた。
この化合物の乳がんに対する安全性と活性に関してはなお試 験の余地はあるが、この化合物のより評価できる活性のために、こ の試料のMCF-7(乳がん細胞)に対する増殖抑制試験を行った。
そこでわれわれは、MCF-7に対して、TAessとNQ801は3日間の反 応で濃度依存的に増殖抑制することを見出し、その活性はTAess に比較してNQ801のほうが強かった。これらのデータは、この2つ の化合物が、がんの増殖作用に対し、遅延効果により疾患治療の 応用に使用できる可能性を示している。