がん研究における化学 - その重要な役割
ブラジル産伝統植物、タベブイア・アベラネダエの抗腫瘍、抗発がんプロモーター活性■2007年2月4日~7日 米国カリフォルニア州・サンディエゴ
「Anti-tumor and anti-tumor promoting activity from Brazilian traditional medicine, Tabebuia avellanedae」
Harukuni Tokuda and Hoyoku Nishino (Department of Biochemistry, Kyoto Prefectural University of Medicine), Akira Iida (Faculty of Pharmacy, Takasaki University of Health and Welfare)
タベブイア・アベラネダエの抗腫瘍、抗発がんプロモーターを検討 するための発展的なプロジェクトの一環として、そのエッセンスの粉 末とその活性成分である2 – ( 1 – h y d r o x y e t h y l ) – 5 – hydroxynaphtho[2,3-b]furan-4,9-dioneに関してその検討を進め た。タベブイア・アベラネダエ(ノウゼンカズラ科)(TA)は南米のブラ ジルからアルゼンチン北部に生息する、500年に亘って、種々の疾 患の処理に使用されたよく知られている伝統薬用植物である。ブラ ジルで生産されるこの植物の内部樹皮はアジアにおいて、健康志 向の飲料茶として普及している。短鎖脂肪酸と発がんプロモーター であるTPAの相乗効果による新しい分析法は、天然物由来化合物 (後発がんプロモーター、発がん予防剤)の検索に短時間で容易な 方法である。その方法はヒト由来リンパ芽腫を用いて、エプスタイ ンバールウイルス誘発、発がんプロモーター活性に対する抑制効 果である。
この試験管内分析法を用いて、500以上の試料を試験したところ 100以上の試料に活性を認めた。その過程でブラジル産薬用 植物の1つであるアベブイア・アベラネダエの抽出物とその含有 化合物2-(1-hydroxyethyl)-5-hydroxynaphtho[2,3-b]furan-4,9- dioneは、がん状態において良好な方向に促進する作用を示す。
加えてわれわれは最近の研究で、新しい発がんモデルとして DMBAを発がんイニシエーター、TPAを発がんプロモーターとする マウス皮膚試験を進めた。この試験結果は、ヒトでのがん予防に対 するこれらの植物性サプリメントのさらに展開するための基礎と なると思われる。