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第46回 米国細胞生物学会

第46回 米国細胞生物学会

ヒト由来乳がん、肺がんに対するブラジル産薬用植物の成長抑制効果
■2006年12月9日~13日 米国カリフォルニア州・サンディエゴ
「Growth Inhibitory Effects of Brazilian Herbal Madicine Against Human Breast and Lung Cancer Cells」
Harukuni Tokuda and Hoyoku Nishino (Department of Biochemistry, Kyoto Prefectural University of Medicine), Akira Iida (Faculty of Pharmacy, Takasaki University of Health and Welfare)
およそ500年以前より種々の疾患に対し、伝統薬用植物として 南米のブラジルからアルゼンチンで用いられたよく知られている ものとして、タベブイア・アベラネダエ(ノウゼンカズラ科)(TA)が ある。ブラジルで生育するこの植物の内部樹皮は、ハーブ茶として 健康志向を目的にアジアで用いられており、先にわれわれはTA エッセンス(TA ess)とそれに含まれるナフトキノン型化合物(2(- 1- ヒドロキシエチル)-5-ヒドロキシナフト[2,3-b]フラン-4,9-ディオン)は TPAにて誘発される試験管内試験法で抑制作用を示し、発がん 化合物に対するがん予防剤として作用することを示した。今回の 研究ではこのような有益な試薬のさらに他の活性を検討する目的で、 がん感受性試験として細胞毒性試験を新しい活性検索として 進めた。2種のヒト由来細胞株MCF7,A549でのがん細胞成長 過程におけるTAess.と2(- 1-ヒドロキシエチル)-5-ヒドロキシナフト [2,3-b]フラン-4,9-ディオンの効果を検討し、TAess.生理活性濃度 である1.5mg/mlで72時間の処理では弱い抑制効果しか示さな かったが、他方2(- 1-ヒドロキシエチル)-5-ヒドロキシナフト[2,3-b] フラン-4,9-ディオンは同様の72時間の処理で顕著な効果を示した。
このような試薬を評価するがん試験検索の過程で、動物試験 でも同様な効果を示すことを認め、この実験室レベルの結果が、 この試薬を用いることで、がん治療として有益となる考察を大いに 裏付けるものとなった。
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