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第5回 米国国際がん予防学会

第5回 米国国際がん予防学会

後期段階生成物誘発がんに対する天然資源化合物のがん予防活性
■2006年11月12日~16日 米国マサチューセッツ州・ボストン
「Chemopreventive activity of natural source compounds against advanced glycation endproduct-induced carcinogenesis.」
Harukuni Tokuda (Department of Biochemistry, Kyoto Prefectural University of Medicine), Akira Iida (Faculty of Pharmacy, Takasaki University of Health and Welfare)
後期段階生成物(AGE)は通常、がんを含む種々の疾患に認められ、 とくに糖尿病患者ではその産生が増える。われわれのヒトに関連する がん源物質に対するがん予防剤の研究の過程で、HAGE(ヒトアル ブミンとグルコースの混合物)試料の発がん活性の検討として、マウス 皮膚二段階発がん試験で顕著な発がんイニシエーション作用を認めた。
SENCARマウスに1回100μgのHAGEを連続3回処理した後、TPAを 1μgを週2回20週間連続処理する。最近われわれはまた、ある種の 色素添加物ベタニン、ブラジル産薬用植物にHAGE発がんに対する 抑制効果を認めた。今回の研究では南米のブラジルからアルゼンチン 北部に生育し、種々の疾患に効果があるとされるブラジル産薬用植物 タベブイア・アベラネダエと天然色素ベタニンをイニシエーション過程の 前後1週間処理したところ、発生する腫瘍の数の減少と遅延効果を 認めた。このことは将来を見据えたリードがん予防剤開発の戦略の例 として、このような経口摂取する化合物に、ヒト関連発がん物質試験、 長期発がん試験モデルでの効果評価を行うことで、この成果が糖尿病 を含む種々の疾患での、悪性腫瘍発生の危険因子についての良好な 検討例となると思われる。
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