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第9回 日本補完代替医療学会学術集会

第9回 日本補完代替医療学会学術集会

ブラジル薬用植物、タベブイア・アベラネダエのがん予防作用
■2006年10月28日~29日 大阪府・大阪市
「Chemopreventive potency of Tabebuia averanedae ext. against carcinogenic in vitro and in vivo test」
Harukuni Tokuda (Department of Biochemistry, Kyoto Prefectural University of Medicine), Akira Iida (Faculty of Pharmacy, Takasaki University of Health and Welfare)
【目的】
ブラジルを含む南米の原産であり、数世紀以前より薬用植物として使用されて いるノウゼンカズラ科のタベブイア・アベラネダエ(TA)が有するその生理活性に 関して試験した。今回はその一環として、ヒトが実際に影響を受ける、感染、 炎症の際に大量に発生するとされる一酸化窒素(NO)の有する発がん性に 対し、とくにその抑制効果について検討した。
【方法】
TAの抽出液と、含有する活性成分であるナフトキノン骨格化合物を試験材料 として用いた。検索として、われわれが用いているNOドナーによるヒト由来 Chang liver 細胞の形態変化に対して、試験材料によるその阻害効果を 観察し、ラジカル消去等の活性を視た。小動物を用いた試験として、発がん 予防の基礎的な試験であるマウス皮膚発がん二段階抑制試験を試行した。
NOの代謝産物でより活性の強いパーオキシナイトライト(PN)を作用させる 前後1週間抽出液で処理し、その影響を見た。
【結果と考察】
TAの抽出液に関しては細胞を用いた実験で、ラジカル関連化合物であるカテ キン類に比較しても、同等な活性を示し、TAに含有する物質が当試験に陽性で あることが確認できた。マウスを用いた試験では、発がん物質を作用させる前後 2週間の摂取で、とくに誘発される腫瘍の数で抑制効果が認められ、この種の 薬用植物に発がんに対する抑制効果の可能性が示唆された。
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