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第4回 一酸化窒素の生物学・化学と治療応用の国際会議

第4回 一酸化窒素の生物学・化学と治療応用の国際会議

一酸化窒素ドナー誘発マウス皮膚発がんにおける天然由来化合物のがん予防活性
■2006年6月25日~29日 米国カリフォルニア州・モントレー
「Chemopreventive activity of natural compounds on nitric oxide donors induced mouse skin carcinogenesis」
Harukuni Tokuda and Hoyoku Nishino (Department of Biochemistry, Kyoto Prefectural University of Medicine)
Akira Iida (Faculty of Pharmacy, Takasaki University of Health and Welfare), others
今回の研究は、天然物であるフラボノイド、薬用植物のタベブイア・ アベラネダエ(タヒボジャパン社)とクルクミンによる一酸化窒素(NO) ドナー誘発発がんに対するがん予防効果の研究である。これらの研 究はまたSENCARマウスの皮膚において、NOドナーであるパーオキ シナイトライト(PN)を作用させる前後1週間の間、これら天然物を摂 取することでその抑制効果も検討するものである。基礎的な検討にお いて、種々の研究の結果、これらの試験を行った化合物が有する、 抗酸化作用がマウス二段階発がんでの化学発がん剤によるイニシエ ーションならびにプロモーション作用に効果があることがわかった。これ らの研究の過程で雌SENCARマウス(6週令)の皮膚にPNを塗布、そ の1週間後より週2回TPAを20週間処理したところ、陽性コントロール として腫瘍の発生率が100%、腫瘍数が7個と試験終了時点で認 められた。
ここで示している天然物を2週間だけイニシエーション段階で摂取 させたところ、我々の観察で発生率が60から70%減少したことから、 これら天然物にはPNによる誘発段階で影響を示すことが判明した。
我々は、この作用の詳細な機序を構築するためにウエスタンブロット 法を用いて、PNによる主要な情報伝達経路であるH-Ras, MEK, p38 レベルでの解析を行い、基礎的なデータとして、これらの天然物がこの 経路であるMAPK経路に作用することを見出した。
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