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第97回 米国癌学会

第97回 米国癌学会

UVB誘発発がんにおける活性天然物化合物のがん予防効果
■2006年4月1日~5日 米国ワシントンD.C.
「Potential natural compounds for chemopreventive activity on UVB-induced carcinogenesis.」
Harukuni Tokuda and Hoyoku Nishino (Department of Biochemistry, Kyoto Prefectural University of Medicine)
Akira Iida (Formerly, Faculty of Pharmaceutical Sciences, Kyoto University), others
紫外線は、ヒトには通常皮膚がんを起こし、現在我々の生活において 急性的な問題になっている。UVBの種々の効果は太陽光線により起こると 考えられ、UVBにより産生されるフリーラジカルの発生と関連酸化物は皮膚 がんの発生に作用するとされている。既存の薬用植物の使用は、UVB照射 による生物学的効果による皮膚障害に対し、防御作用として興味ある考えと されている。その中で、ベタブルガリスの根は通常ビートルートと呼ばれ、伝統 の天然食用色素として、長い間、食する物として使用されてきた。また、ブラ ジルからアルゼンチンの北部にかけて生育するタベブイア・アベラネダエは、種々 の疾患に作用する薬用植物として知られていた。これら色素成分である ベタニンと、茶として飲用されるタベブイアは、種々の化学発がんに対して、 がん予防作用として効果のあることがこれまで知られている。われわれはこの 作用をさらに検討するために、UVBを照射した後、TPAにて発がん促進する 系を用いてその効果を試験した。0.0025%の濃度でUVBを照射する前後 1週間の計2週間、両化合物を作用させたところ、腫瘍数が40%減少し、発現 日数も20%遅延した。また、発生率においても、両化合物は試験20週目の 段階で減少作用を示した。さらにこれらの化合物のUVB作用によるがん 予防効果の作用機序を解析するために、ウエスタンブロット法にて検討した ところ、特にH-Ras,MEK,P38の段階で作用が認められ、これらの結果から、 ヒトでのがん予防に向けて、これらが植物性サプリメントとして有用である データを提供することができた。
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