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第45回 米国細胞生物学会②

第45回 米国細胞生物学会②

in vitro短期検出法を用いた一酸化窒素スカベンジャー試薬のスクリーニング
■2005年12月12日~14日 米国カリフォルニア州・サンフランシスコ
「Screening Method of Short Term in vitro Assay For Nitric Oxide Scavenger Reagents」
Harukuni Tokuda (Department of Biochemistry, Kyoto Prefectural University of Medicine), others
一酸化窒素(NO)は生理的に重要な役割を果たすことから、NOの 作用はいくつかの病態の治療に有用であるものと考えられ、この作用は、 内皮由来弛緩因子の生理活性とは区別できないものと思われる。いく つかのNO供与薬は本来、NOの生体内調節に外来から輸送体として 役割を果たすと考えられ、現在ではNOの生体内産生として使用されて いる。NOのその他の重要な特徴として、変異原物質として細菌に突然 変異を誘発するほか、ラット初代培養肺細胞に染色体異常を誘発する ことが挙げられ、このことからNOは毒性フリーラジカルとしてよく知られて いる。そのことからNOは細胞毒性や変異原性の重要なメディエーターと して認識されつつある。そこで、NOスカベンジャーのin vitroスクリーニング モデルを構築するため、我々は、有害なNO産生をスカベンジする簡便な 方法を検討し始めている。
(ヒト由来)Chang肝細胞を用いて試験処理前に3日間、DMEM中で 培養した。
NOR1(NO発生剤、(+-)-(E)-methy-2-[(E)-hydroxyimin]-5-nitro-6- methoxy- 3-hexenamide)を培養皿に添加後、CO2インキュベーター内で 1時間インキュベートし、対照とした。スクリーニングを実施する際には、被 験試料を培養皿に添加し、染色せず光顕下(100倍)で観察し、すべて の培養皿に関して250個以上の細胞を観察し、そのデータとして、NOに よる変化に対する阻害率を算出した。試験に供した抗酸化試薬は、 NOR1活性化に対し中等度の阻害作用を示した。我々は今回、NOスカ ベンジャー検出を目的とする、簡単で再現性の高いin vitro短期検出系 をデザインした。この検出系は、環境中に存在する有用物質の広範囲な スクリーニングに応用すべきである。
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