トップ > 分子標的とがん治療~その発見と生物学的側面および治療への応用に関する国際会議2005

分子標的とがん治療~その発見と生物学的側面および治療への応用に関する国際会議2005

分子標的とがん治療~その発見と生物学的側面および治療への応用に関する国際会議2005

一酸化窒素誘発発がんに対する天然資源のがん予防活性
■2005年11月14日~18日 米国ペンシルベニア州・フィラデルフィア
「Chemopreventive Activity of Natural Source Compounds Against Nitric Oxide Donor Induced Carcinogenesis.」
Harukuni Tokuda (Department of Biochemistry, Kyoto Prefectural University of Medicine), others
マウス皮膚での科学的発がんはひとつの考えとして二段階に分 けて考えられていて、それはイニシエーションとプロモーションという 段階に分けられる。トリメチールアミン、ウレタン、DMBAのような試薬を 1回のみ塗布すると、がん形成の過程として初発因子とされる。続いて TPAや活性のある化合物を、初発因子として作用した皮膚に連続 的に作用させ良性、悪性腫瘍を発生させることができる。皮膚において よく知られた発がん物質の多くは一定濃度でイニシエーターとしての 効果を示す。我々は、一酸化窒素(NO)ドナーの一種であるパー オキシナイトライト(PN)溶液にイニシエーションとして作用する、特異的 な性質を認めた。PNの発がんとしての効果を試験するために、マウス 皮膚二段階試験を用いてそれを進めた。SENCARマウスにPNを一 回のみ塗布を行い、続けてTPAにて週2回、20週間塗布を続けた。
その結果、腫瘍の発生率は100%で発生した腫瘍数はマウスあたり 6から7個となった。これらの結果は、NOがイニシエーション活性を有 して発がん作用にいたることを示している。今回は、NO誘発発がん に対する天然資源であるトコフェロールの誘導体、ポリフエヘノール、 薬用植物であるタベブイア・アベラネダエ抽出物、クルクミンのがん予防 効果について試験を進めた。またウェスタンブロッングによる解析と して、PNを介した作用がH-Ras, MEK, p38の過程で作用することが 判明した。これらのデータを基にして、我々はマウスの皮膚において これら天然資源物が、MAPK伝達系で作用することを見出した。
PAGETOP