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統合腫瘍学会~第2回 国際会議②

統合腫瘍学会~第2回 国際会議②

基礎的なマウス発がんモデルを用いたブラジル産伝統薬用植物の予防作用
■2005年11月10日~12日 米国カリフォルニア州・サンディエゴ
「Protective Effects of Brazilian Traditional Medicinal Plant on Fundamental Mouse Carcinogenesis Model」
Harukuni Tokuda and Hoyoku Nishino (Department of Biochemistry, Kyoto Prefectural University of Medicine)
Akira Iida (Formerly, Faculty of Pharmaceutical Sciences, Kyoto University)
我々は、あらゆる種類のがんに対して総合的な効果をもつ薬用植物が 存在する可能性を探るため、スクリーニングを幅広く実施し、有用と考えら れる物質を検出した。抗発がんプロモーター/がん予防剤の検討に我々が 従来使用しているin vitroおよびin vivo評価法の過程において、マウス 皮膚二段階発がん試験を実施し、主に南米で500年前から薬草として使用 されている植物であるブラジル産薬用植物タベブイアアベラネダエ(TA)を 評価した。本試験の試料としては、この植物の内部樹皮粉末を水で沸騰 させたものを用い、この方法は、我々が日常生活で茶を入れる際に使用する 一般的な方法である。マウス皮膚を用いた二段階発がん試験では、 DMBA 100μgをイニシエーターとして皮膚に塗布し、その1週間後から、 TPA 1μgを発がんプロモーターとして同部位に週2回、20週間にわたり塗布 した。発がんプロモーターの塗布期間中、TA治療群には通常のTA飲用 試料(50%溶液として調製)を自由に摂取させ、陽性対照群には飲用水のみ を摂取させた。その結果、TA治療群では発生腫瘍数が約50%抑制された。 各実験期間中、各マウスの体重を週1回測定したところ、TA治療群の 体重増加量は陽性対照群とほぼ等しかった。以上の観察結果から、本 物質は補完および代替治療領域の候補薬のひとつとしてさらに広範に 検討すべきであると考えている。
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