国際がん細胞学会
抗発癌プロモーターに対する短期試験管内検査のスクリーニング法■2005年4月5日~8日 イギリス・ベルファースト
「Screening method of short term in vitro assay for anti-tumor promoters」
Harukuni Tokuda (Kyoto Prefectural University of Medicine.), others.
短鎖脂肪酸と発がんプロモーターの相乗効果を用いた新たなスクリーニング方法の適用により、ヒトリンパ芽腫細胞株であるRaji細胞を使用した発癌プロモーターや抗発癌プロモーターの検出が、迅速かつ容易にできるようになった。いくつかの発癌プロモーターについては、潜伏及び増殖感染状態のRaji細胞で、EBウイルス早期抗原(EBV-EA)誘発活性が認められた。n-酪酸を共に投与すれば、タンパク質キナーゼC経路を介して、発癌プロモーターのEBV活性効果を相乗的に向上させることができる。n-酪酸を高濃度で使用すると、n-酪酸自身がRaji細胞の感染ウイルスに対する有力な活性剤となる。興味深いことに、がん化学予防剤であるアスコルビン酸、クルクミン、そしてナフトキノンを含む薬用植物のタベブイア・アベラネダエを培地に加えると、12‐O‐テトラデカノイ・ルホルボール‐13‐アセテート(TPA)に誘発されたEBV‐EA活性化を軽減できる。これらの試料は、発癌プロモーション阻害剤であり、かつがん化学予防剤でもある。本研究では、がん予防剤のスクリーニング法の確立を試みた。