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第125年会 日本薬学会

第125年会 日本薬学会

ブラジル原産Tabebuia avellanedea(Taheebo)の成分研究
■2005年3月29日~31日 東京都
「Studies on Chemical Constituents of Brazilian Tabebuia avellanedae (Taheebo)」
Akira Iida1), Harukuni Tokuda2)
1) Formerly, Faculty of Pharmaceutical Sciences, Kyoto University
2) Department of Biochemistry, Kyoto Prefectural University of Medicine
【目的】
ノウゼンカズラ科Tabebuia avellanedea(Taheebo)は、ブラジルから北アルゼンチンまでの南アメリカを原産とする大木である。本植物は古代インカの時代より知られた伝統的な民間薬であり、その樹皮は利尿薬や収斂薬として利用されてきた。一方、本植物ががんに効果のある医薬資源として着目されて以来、その成分研究が進み、ナフトキノン類やアントラキノン類が有効成分として報告されている。また、最近になって本植物に含まれる、ナフトキノン類であるβ‐lapachoneが化学予防剤として市販され始めた。しかし、このような興味ある多くの生物活性成分を持ち合わせる本植物には、ナフトキノン類やアントラキノン類以外の化学成分とそれらの生物活性に関する報告はほとんどない。本研究では、細胞毒性とがん予防効果を指標に、本植物に含まれる成分の再探索を行う。
【実験・結果】
材料は、ハーブ茶として市販されている本植物の内皮を用いた。内皮のエタノールエキスを液―液分配し、得られた酢酸エチル可溶部をゲルろ過クロマトグラフィーに付した。強い活性を示した画分を再度ゲルろ過クロマトグラフィー、逆相HPLCを用いて精製を繰り返した。その結果、既知抗腫瘍活性ナフトキノン類に加え、既知化合物ではあるが、本植物成分としては5種の低分子芳香族化合物を単離した。これらの化合物は、細胞毒性を示さないものの、中程度のがん予防効果を示すことがわかった。今回、これらの活性に加え、新たに単離された未知化合物3種の構造と活性について報告する。
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