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第16回 国際抗癌治療会議

第16回 国際抗癌治療会議

悪性腫瘍におけるタヒボの臨床的研究
■2005年2月1日~4日 フランス・パリ
「Clinical Investigation of Taheebo on Malignancy」
Umezu Y, Saeki H, Satoh M
Institute of Life Controlling Science, Be Alive Inc., Sendai, 980 Japan.
一般的に癌化学療法においては、骨髄抑制を含む多臓器にわたる副作用がみられる。これが臨床の場では使用の制約となる。
タヒボはタベブイア・アベラネダエというアマゾンの熱帯雨林に自生する大木の樹皮から抽出された物質で抗腫瘍活性を持つ。
しかも通常の使用では何ら癌化学療法剤のような副作用を示さない。今回のパイロットスタディーでは、10人の末期患者で、それぞれの通常医学の治療法では反応しなくなった患者に経口投与し、その有効性を検討した。実際には、タヒボ単独投与の患者2症例、他の抗新生血管因子や免疫調節因子投与下の患者8症例に対しタヒボ20μgを1日3回投与した。このうち免疫学的検査が可能であったもの7例について細胞性免疫、液性免疫にかかわる諸細胞の数や機能について随時検討した。特に細胞性(炎症性)免疫に関与するサイトカインとして、IL-12、IFN-γ、TNFα、IL-2液性(非炎症性)免疫に関与するサイトカインとして、IL‐4、IL‐6、IL‐10を、さらに免疫調節にからむものとしてIL‐1α、IL‐1β、TGFβ1等を投与後1~6ヶ月間検討した。その結果以下の事実を得た。
臨床的には
①評価可能であった9人の患者のうちの2人すなわち22%の患者が投与開始1ヶ月以内に腫瘍が消失したり、症状が緩解した。
②全10人の患者のうち、50%が観察期間6ヶ月でCRとなった。
免疫学的検査結果では
①7人中6人の患者で末梢血中のリンパ球の絶対数と血球中の比率の両方が統計的にも有意に改善した。
②一方、好中球はこれらの患者で絶対数と血球中比率の双方で低下した。
③赤血球や血小板の数値には特に変化がみられなかった。
④IL‐2とINFγの生産能は9人中7人で改善した。
⑤血中IL‐12濃度はタヒボの投与後に増加する傾向が認められた。
⑥タヒボの投与後血液1μl中のリンパ球数が1200個以上になった患者の予後は良好であった。
⑦一方、タヒボ投与後もこれが1200個以下の患者では生活の質、生存期間の延長は観察されたが予後は不良であった。
【結論】
タヒボは細胞性免疫反応を調節することを通して、抗腫瘍治療に重要な役割を果たす可能性があると考えられた。
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