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第44回 米国細胞生物学会

第44回 米国細胞生物学会

有用物質の探索を目的とした試験管内短期検出法の確立
■2004年12月4日~8日 米国ワシントンD.C.
「Establishment of short term in vitro assay screening method for useful compounds.」
H. Tokuda, 1 F. Enjo, T. Konoshima, A.Kumagai, T. Mukainaka, H. Kushida, M. Takasaki, H. Nishino. Kyoto Prefectural University of Medicine, Kyoto, Japan, Chiba Science University Chiba, Japan.
発がんプロモーターと短鎖脂肪酸の相乗効果を利用し、ヒト由来リンパ芽腫細胞Rajiを用いた抗発がんプロモーターの早期、簡易的な新しい検出法に関する報告である。
この方法を用いることで、がん予防剤とされる抗発がんプロモーターを簡単に検出することが可能で、多くの有用物質の生物活性を検討した。
発がんプロモーターと短鎖脂肪酸の作用により、Raji細胞中のエプスタインバールウイルスの早期抗原が発現し、それを測定することで活性を観察するものである。
興味のある事実として、発がんプロモーターであるTPAを用いた早期抗原の発現作用に対し、がん予防剤として開発中のブラジル産薬用植物であるタベブイア・アベラネダエ(TA)の抽出液ならびに、そこに含まれるナフト キノン化合物を同時に作用させると、その発現の抑制が観察された。
また現在、がん予防剤としてよく知られているアスコルビン酸、クルクミン等多くの化合物についても同様にその発現の抑制を認め、このことから現在、化学的予防物質として知られ、市販されている化合物を含むTAにがん予防剤としての可能性が示唆された。
さらにこの方法により多くの化合物の試験を進めた結果、この方法ががん予防剤の評価法として有用であることが確認できた。
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