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第8回 国際生物と医学における金属イオン会議

第8回 国際生物と医学における金属イオン会議

一酸化窒素誘発発がんにおけるセレン含有ブラジル産ハーブのがん予防作用
■2004年5月18日~22日 ハンガリー・ブダペスト
「CANCER CHEMOPREVENTIVE ACTION OF BRAZILIAN HERBAL PLANT INCLUDING SELENIUM IN NITRIC OXIDE INDUCED CARCINOGENESIS」
Harukuni Tokuda, Akira Iida, Hoyoku Nishino, Shinichi Ueda
Kyoto Prefectural University of Medicine, Kawaramachi-dori, Kamigyo-ku, Kyoto, JAPAN, 602-0841
Kyoto University,Sakyo-ku, Kyoto,JAPAN,606-8501
実験動物の疫学的研究、臨床介入スクリーニング、および定量分析により、セレンがいくつかの種類のがんの成長に対してもつ抑制作用が証明されている。我々は、数種の生薬の経口投与が、SENCARマウスにおけるDMBAおよび一酸化窒素(NO)による発がんを抑制すること、ならびに、生薬のがん予防作用が皮膚および標的器官におけるHRas-MEK発現に対する誘発抑制効果と強い相関性があることを以前に証明した。本試験では、ブラジル産ハーブ(タベブイア アベラネダエ)がマウスの化学物質および炎症による二段階発がんモデルにおいて、顕著な予防効力があることとともにさらにセレンを加えるとその効果が増加することを証明した。
実験開始前後の2週間の間、これらのハーブを飲料水とともに経口投与し、その後、飲料水だけの発がん促進処置を施した。マウスの皮膚実験における評価では、セレンを添加したハーブを投与した群は、実験開始後20週間の時点でマウス1匹あたりの腫瘍の平均数がもう一方の群と比較して30%から40%減少した。皮膚タンパクにおける細胞の情報伝達レベルの検討としてはH-RasおよびMEKの発現が対照群と比較して顕著に減少している。その作用として、活性化された腫瘍に対してセレンがさらに反応し、特定のメカニズムによって、がん予防作用を有する金属化合物が選択的にセレン投与群の情報伝達に介入し、がん予防作用に寄与するのであろうと思われる。
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