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第8回 日本未病システム学会

第8回 日本未病システム学会

タヒボ茶水抽出物の抗酸化作用
■2002年1月12日 石川県・金沢市
「Antioxidative action of TAHEEBO tea extract」
Fuminori Suzuki1), Asami Fujii1), and Hiroshi Shimofuruya2)
1) Suzuka University of Medical Sciences
2) Suzuka National College of Technology
【目的】
茶にはアルカロイドをはじめ、渋み成分であるカテキン類やアスコルビン酸などの様々な物質が含まれており、抗菌作用、抗酸化作用、抗アレルギー作用などのあることが報告されている。近年茶の飲用者が増加しており健康ブームと重なってその普及が広がってきている。また、活性酸素やフリーラジカルが癌を引き起こす要因になっている可能性が指摘されており抗酸化作用を有する物質を摂取することで各種疾患の予防につながることが期待され、ますます茶が注目されるようになった。特に緑茶は人々によく知られているが、南米に生育するタヒボ茶についてはほとんど知られていない。今回、このタヒボ茶に注目しその抗酸化作用について検討することとした。
【方法】
タヒボ茶水抽出物の抗酸化作用を評価する方法としてロダン鉄法及びDPPH法を用いた。
ロダン鉄法:0.02Mリノール酸原液1ml、10%および1%濃度の添加物0.2ml、緩衝液0.8mlの混合液をincubate(38℃で24,72,120hr)した。
試料液0.1mlに75%EtOH4.7ml、30%ロダンアンモニウム0.1ml、0.02M塩化第一鉄の3.5%塩酸溶液0.1mlを加え、正確に3min後に500nmにおける吸光度を測定した。
DPPH法:400μM DPPH0.3ml、200mM MES buffer 0.3ml、20%EtOH0.3mlの混合液に80%EtOHと分析試料を加え、20min後に520nmにおける吸光度を測定した。
【結果・考察】
リノール酸の自動酸化に対するタヒボ茶水抽出物の抗酸化活性において、Controlでは日数経過とともにリノール酸が酸化されて過酸化物価が上昇し、その後過酸化物の分解がおこり過酸化物価が減少した。しかし、タヒボ茶水抽出物を添加した溶液では濃度1%、10%共に過酸化物価の上昇はほとんど見られず、陽性標準物質であるTroloxよりも強い抗酸化活性を示した。一方、DPPH法におけるラジカル消去活性については、タヒボ茶水抽出物はTroloxと同程度のラジカル消去活性が検出され、タヒボ茶水抽出物中にラジカル消去活性を有する物質が含まれていることが明らかになった。また、緑茶、玄米茶、烏龍茶、ほうじ茶の各種水抽出物についてもタヒボ茶水抽出物と同条件でリノール酸の自動酸化に対する抗酸化活性を測定した結果、タヒボ茶水抽出物が最も強い抗酸化活性を示し、タヒボ茶水抽出物中に、含まれる抗酸化活性物質は比較的強い抗酸化能を有する事が示唆された。
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