トップ > 第7回 JACT大会

第7回 JACT大会

第7回 JACT大会

がん予防を目的としたグリケーション生成物誘発発がんに対する天然物質の検討
■2003年12月21日 兵庫県・神戸市
「Study on natural products against carcinogenesis induced by an advanced glycation end product, aiming at cancer prevention」
H. Tokuda, M. Nishino(Kyoto)
【目的】
病態生理の観点からとくに、糖尿病の慢性合併症、老化現象、神経変性疾患等の分野で注目されているグリケーション生成物(AGE)に関して、われわれはその発がん性を示し、さらに医学的見地からその予防についても検討をすすめてきた。今回はヒト生体内での糖化反応を受けると考えられるたんぱく質から生成したAGEを用い、その発がん性とともに、重要な予防についても日常に用いる素材を試験化合物としてマウスの系で検討した。
【方法・材料】
実際にヒトの疾患、予防としての考えから、ヒトアルブミンをもちいてグルコースとの混合液を、無菌状態で37度で反応しAGEを作製した。そのAGEを発がんイニシエーションとし、その1週間後よりTPAをプロモ一ションとするマウス皮膚二段階発がんによりその発がん性を検討するとともに、AGEのイニシエーション作用前後1週間、ブラジル産薬用植物であるタベブイア・アベラネダエ(TA)抽出液を飲水し、通常の水道水による系と比較した。
【結果】
5週令、雌、SENCARマウスに作製したAGEを発がんイニシエーター作用で3日連続して塗布後、その1週間目より発がんプロモーターとしてTPAを塗布、20週目でその腫瘍発生率、個数を観察したところ80%以上の発生率、約5個程度の発生を認めた。がん予防を目的としたTA抽出液で処理を行なった群では発生率、腫瘍数で約60%の抑制効果を示し、その素材としての有用性が示唆された。
PAGETOP