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第9回 欧州栄養学会議②

第9回 欧州栄養学会議②

一酸化窒素誘発マウス皮膚発がんに対する天然物由来化合物のがん予防効果
■2003年10月1日~4日 イタリア・ローマ
「Chemopreventive Activity of Naturally Occurring Compounds on Nitric Oxide Donors Induced Mouse Skin Carcinogenesis」
H. Tokuda, M. Kuchide, T. Mukainaka, F. Enjo, H. Nishino
Kyoto Prefectural University of Medicine, Kawaramachi-dori, Kamigyo-ku, Kyoto, Japan
今回の研究はブラジル原産の薬用植物であるタベブイア・アベラネダエ(TH)抽出液とそこに含まれる化合物、抗酸化物質、ポリフェノール、クルクミン等に対する一酸化窒素誘発発がんに対する予防効果を検討したものである。われわれは先にNOドナーの一種であるパーオキシナイト(PN)が、発がんイニシエーション作用をマウス皮膚二段階試験で示すことを報告した。雌性SENCARマウス(6週齢)PN溶液で一回、皮膚に塗布した後、TPAを週2回、20週間塗布続けたところ試験終了時には腫瘍の発生率は100%となり、発生数はマウス一匹あたり5から6となったTHと抗酸化物質を発がんイニシエーション処理の前後1週間、飲水として作用させ、その後のプロモーションは通常の飲料水で飼育したところわれわれの観察では、THと抗酸化物質は約60%の腫瘍発生の減少をそれぞれ試験開始後20週目で認めた。これらのデータは抗酸化物等が生体内で生ずる感染、炎症で起こるとされている発がんに対して、予防効果の可能性を示しているものと考えている。
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