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抗酸化剤学会

抗酸化剤学会

植物含有成分の活性酸素除去および消炎作用
■1999年1月9日~11日 インド・ゴア
「FREE RADICAL SCAVENGING AND ANTI-INFLAMMATORY ACTIVITIES OF NAT-URAL PLANT FACTORS」
Toshikazu Yoshikawa,Yuji Naito,Yasuharu Masui,Yukiko Tanaka,Eiichiro Ichiishi, Norimasa Yoshida,Motoharu Kondo
First Department Of Medicine,Kyoto Prefectural University Of Medicine
京都府立医科大学医学部第一内科学教室 吉川敏一、内藤裕二、増井康治、田中由紀子、一石英一郎、吉田憲正、近藤元治
活性酸素種が生体分子を傷害し炎症過程において有害な作用を有し様々な疾病発症・増悪に関与しているという事実が次第に明らかとなってきている。今回、植物中天然成分による活性酸素消去能及び抗炎症作用について検討した。
植物中の水溶性天然成分について以下のものをサンプルとして用いた ; GBE(イチョウ葉エキス)、GTE(緑茶エキス)、TTE(タヒボ茶エキス)、RTE(ルイボス茶エキス)、AOB(穀物加工食品)、RWE(赤ワインエキス) supcroxide並びにhydroxyl radical消去作用をDMPO・スピントラッピング法にて、またDPPH radical との直接反応についていずれも EPR(磁気共鳴装置)を用いて測定を行った。また過酸化水素及び一酸化窒素添加による細胞傷害の抑制作用をMTTmodified assayにて測定した。
また抗炎症作用については好中球からのsuperoxide発生、マクロファージからの一酸化窒素産生、並びに好中球及び血管内皮細胞上からの炎症性サイトカイン産生と接着分子の発現についての検討を行った。すべてのエキスにおいて濃度依存性にsuperoxide並びにhydroxyl radical消去作用を示した。特にGBEに関しては最も強い活性酸素消去能が見出された。DPPH radical との反応についてはいずれのエキスにおいても比較的高濃度での効果が見られた。
過酸化水素及び一酸化窒素添加により惹起される細胞死もいくつかのエキス添加により改善作用を示した。TTEはLPSとインターフェロンにより誘導されるマクロファージからの一酸化窒素分子並びに i-NOS(誘導型一酸化窒素合成酵素)mRNA発現を顕著に抑制した。GTEはラットにおける虚血―再還流傷害においても抑制効果を示した。
また数種類のエキスにおいて好中球並びに血管内皮の炎症性サイトカイン産生並びに接着分子発現に対して効果があった。
これらの結果から、植物中天然成分には強い活性酸素消去能と抗炎症作用を有することが明らかとなった。
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