第51回 日本細菌学会東北支部総会
タヒボ茶抽出物の抗腫瘍効果■1997年9月4日・5日 宮城県・仙台市
「Anti-tumor effect of TAHEEBO tea extract」
51th General Meeting of the Tohoku Chapter, the Japanese Society for Bacteriology Ogama, N., Isono, N., Ebina, T.
Division of Immunology, Miyagi Cancer Center Research Institute
【目的】
京大の上田らはブラジル産ノウゼンカズラ科植物を原料にしたタヒボ茶の抽出物中に抗発癌プロモーター作用のあることを見出し、その抽出物の主成分がナフトキノンであることを認めた。そこでタヒボ茶抽出物の抗腫瘍効果について解析した。
【方法】
BALB/cマウスにMeth-a腫瘍細胞を右側腹皮内に106個、左側腹皮内に2×105個接種し、3日目から3日間タヒボ茶抽出物を右側腫瘍内に投与し、投与していない左側腫瘍の増殖を21日間観察した。又自然転移のモデルであるColon26皮下接種による肺転移の系でも調べた。
【結果並びに考察】
水900mlにタヒボ茶15gを加えて5分間沸騰させた熱水抽出物(この中に75μg/mlのナフトキノンが含まれる)を0.1mlずつ右側腫瘍内に投与したところ7匹中3匹で腫瘍が治癒し、投与していない左側腫瘍も7匹中1匹で腫瘍が消失した。タヒボ茶抽出物0.1mlを皮内投与した1日後に血中のIAPを測定したところ有意に誘導された。すなわちタヒボ茶を投与することによりマクロファージと好中球が活性化された。
マウスにColon26を皮下接種し、接種後10日目から原発腫瘍内に3日間タヒボ茶を0.1mlずつ投与したところ、延命効果が認められた。更にこの系に腫瘍接種後タヒボ茶を2週間0.1mlずつ経口投与し、肺への転移コロニーの数を調べたところ、腫瘍内投与だけに比して、経口投与することにより有意に転移を抑えた。