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第130年会 日本薬学会①

第130年会 日本薬学会①

ブラジル原産Tabebuia avellanedea カルスによるがん細胞増殖抑制活性ナフトキノン類の生産
■2010年3月28日~30日 岡山県・岡山市
「Production of bioactive furanonaphthoquinones by callus cultures of the Brazilian medicinal plant, Tabebuia avellanedae」
Akira Iida (Faculty of Agriculture, Kinki University), Mitsuaki Yamashita and Masafumi Kaneko (Faculty of Pharmacy, Takasaki University of Health and Welfare), Harukuni Tokuda (Kanazawa University , Graduate School of Medical Science) others
【目的】
最近我々は、ブラジル原産Tabebuia avellanedea(ノウゼンカズラ科) の内皮にごくわずかに含まれる強力ながん細胞増殖抑制活性やがん予 防活性をもつナフトキノンNQ801のグラムスケールでの化学合成1)に成功 した。一方で、我々は、多種類の化学薬品を用いない環境にも配慮した NQ801の大量生産にも興味を持っている。そこで、T. avellanedaeの葉 より誘導されたカルス組織を用いたNQ801の生産を試みた。
【方法・結果】
エタノール(70%, 1分)と次亜塩素酸ナトリウム(1%、10分)で滅菌したT. avellanedaeの葉を2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D, 1ppm )とキネチ ン (1ppm)を含むMS寒天培地(pH 5.95~6.05)に移し、25℃、暗条件で培 養した。約一週間でカルス化が観察されると同時に、MS寒天培地が黄色 化し、NQ801を含むナフトキノン類の生産が示唆された。培養開始2週間以 降、5日置きに培地をクロロホルムで抽出、クロロホルム層を水洗後、濃縮し て得られた抽出物をHPLCならびにLC/MSで分析した。興味深いことに NQ801が主成分としてNMRでも明確に分かるほど生産され、それは、培養 期間とともに増加していることが示された。また、NQ801の類縁体と推測さ れるいくつかのキノン類の生産も観察された。さらに、生物活性とともに植 物ホルモン種の違いによる生産性の変化についても調べたので、それらの 結果も併せて報告する。
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