トップ > 第48回 米国生薬学会

第48回 米国生薬学会

第48回 米国生薬学会

後期段階生成物誘発発がんに対する伝統植物のがん予防活性
■2007年7月14日~18日 米国メイン州・ポートランド
「Cancer chemopreventive activity of a traditional plant against advanced glycation endproduct-induced carcinogenesis」
Harukuni Tokuda (Department of Biochemistry, Kyoto Prefectural University of Medicine), Akira Iida (Faculty of Pharmacy, Takasaki University of Health and Welfare), others
これまでの報告として、糖尿病においては肝、大腸、膵臓がん、 また他のがんの発生の危険性が増加することが認知されてきた。
ただ現時点では、まだ明確なその関連性が証明されていない。
タンパク質が増加するグルコースのような糖質と共存すると、それ らは非酵素的に糖化、酸化が進む。タンパク質の非酵素的反応に より最終的な物質として、後期段階生成物(AGE)が産生する。
糖尿病疾患者においては、高血糖の結果、AGEの濃度が上昇し、 その過剰によりAGE受容体を通した細胞変化、ラジカルの発生により 組織の傷害を起す。その試験として、SENCARマウスに100μgの HAGE(ヒトアルブミンの後期段階生成物)を発がんイニシエーション として処理し、1μgのTPAで発がんプロモーションとして週2回処理する。 今回の検討として、ウルソール酸と伝統生薬であるタベブイア・ アベラネダエに関して進めた。イニシエーション処理の前後1週間、 試料を作用させ発現してくる腫瘍の発生遅延、発生率、発生数に おいて、統計的に有意になる作用を示した。この結果と先に発表 した資料から考察すると、これらのデータは、ウルソール酸と抽出液が 重要ながん予防作用を示し、臨床応用に向けて、げっ歯類を用いた 天然物試験での基礎的な成果として重要と考えている。
PAGETOP