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第53回 国際生薬学会②

第53回 国際生薬学会②

ブラジル産薬用、植物タベブイア・アベラネダエのがん予防効果
■2005年8月21日~25日 イタリア・フローレンス
「Chemopreventive Effect of Brazilian Traditional Medicine, Tabebuia avellanedae」
Akira Iida (Formerly, Faculty of Pharmaceutical Sciences, Kyoto University), Harukuni Tokuda and Hoyoku Nishino (Department of Biochemistry Kyoto Prefectural University of Medicine), others 
南米のブラジルから北アルゼンチンに自生するタベブイア・アベラ ネダエ(ノウゼンカズラ科)は種々の疾患治療を目的に伝統的な薬用 植物としてよく知られている。以前、われわれはこの植物の抗腫 瘍活性成分であるNQ801が、Raji細胞を用いたTPAによるEBウィル ス早期抗原発現を抑制することで、試験管内試験でのがん予防物 質として報告した1)。このブラジル産植物の内部樹皮が薬草茶とし てアジア地域に広まっている現状は、タベブイア・アベラネダエに含 まれるがん予防作用をもつ成分の解明を目的とした研究を開始す る大いなるきっかけとなった。この粉末内部樹皮(タヒボジャパン株 式会社、提供)水抽出液の経口摂取により、マウス皮膚発がん試 験(DMBA+TPA)とマウス肺発がん試験(4NQO+8%glycerol) のプロモーション段階での抑制が認められた。この事実は果物や野 菜に関して一般的に指摘されているのと同様に、タベブイア・ア ベラネダエ抽出液にもがん予防作用をもつことを示唆した。今回の発 表で、われわれはタベブイア・アベラネダエの動物実験でのがん予防 効果とともに、新たに見つかったクマリン誘導体を含む種々の構成 成分についても試験管内実験での結果を併せて報告する予定で ある。
参考文献1):上田伸一氏発表「ファイトケミストリー」誌掲載論文(1994年; 通巻36号:P323‐325)
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