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第44回 米国生薬学会

第44回 米国生薬学会

NO発生剤誘発発がんモデルを用いた天然物由来化合物によるがん予防の研究
■2003年7月12日~16日 米国ノースカロライナ州・チャペルヒル
「CHEMOPREVENTION OF MOUSE SKIN PAPILLOMAS BY NATURALLY OCCURINGCOMPOUNDS IN NITRIC OXIDE DONOR INDUCED CARCINOGENESIS MODEL」
Harukuni Tokuda
Kyoto Prefectural University of Medicine, Kyoto, 602-0841; JAPAN.
我々の過去の研究ではSENCARマウスを用いた20週間におよぶ実験において、発がんイニシエーターである一酸化窒素(NO)発生剤のパーオキシナイトライト(PN)、および発がんプロモーターであるホルボルエステル(TPA)により典型的な乳頭腫が有意に発生することが分かっている。今回、我々は生理機能の調節に重要な役割を果たす分子であると、同時に微生物ならびに哺乳類細胞の突然変異を引き起こしうる突然変異原であるNO誘発による発がん作用の可能性を検討するため、基本的なマウス皮膚2段階発がん試験を行い、PNの作用について調べた。PN溶液をSENCAR雌性マウス(6週齢、15匹使用)の局所に1回塗布した後、TPAを週2回、20週にわたって塗布した。これらの基本的な結果をもとに最近行った試験では、天然物由来化合物をイニシエーションの前後2週間に限定して飲料水とともに経口投与し、飲料水のみでプロモーター処理した群では、天然由来化合物であるフラボノイドおよびトリテルぺノイドにはPNによる発がん活性化を抑制する効果が認められた。我々の評価では、天然物由来化合物を試料として投与した被験群では、乳頭腫の発生が約60から70%減少する。
このような結果から、天然物由来化合物のNOの活性作用における抗イニシエーション効果の可能性が示唆される。
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