第92回 米国癌学会
マウス皮膚二段階発がんにおける一酸化窒素の作用と予防■2001年3月24日~28日 米国ルイジアナ州・ニューオリンズ
「Tumor initiating Effects of Nitric Oxide Donors in Two-Stage Mouse Skin Carcinogenesis and its Prevention.」
Harukuni Tokuda, Masato Okuda, Masato Kutidi, Teruo Mukainaka, Hoyoku Nishino,
Takao Konoshima,and Midori Takasaki. Dopt.of Biochmistry, Kyoto Prefectural University of Medicine, Kyot, Japan
Kyoto Pharmacoutical University, Kyoto, JAPAN. And Kyoto Prefectural University of Medicine, Kyoto, Japan.
一酸化窒素(NO)は多くの生理活性を有し、重要な役割をしている。
このことからNOは種々の疾患の防御に、有用な作用をしていると思われる。
一方、NOは微生物や動物細胞で変異をおこす変異原性を示す。そこでNOによる発がん作用の可能性を検討するために、種々のNO発生剤を用いてマウス皮膚二段階発がん試験を行った。雌SENCARマウス(6週令)の背部皮膚にパーオキシナイトライト(PN)溶液を塗布し、TPAを続いて20週間、塗布を続けた。
試験終了時で腫瘍の発生率100%、腫瘍数は5から6個発生した。
この現象を遺伝子レベルで解析したところ、この腫瘍にH-rasコドン61番目に点突然変異を認め、この遺伝子の発現がPNによる腫瘍化に関連していると思われる。
この抑制実験として、クルクミン等の天然物由来化合物にPN誘発による腫瘍発生に対して抑制作用を示し、これらの化合物の有用性が示唆された。
(天然物由来化合物の中にタベブイア・アベラネダエのデータを含んでいます。)