生薬学会欧米合同シンポジウム

タベブイア・アベラネダエの発癌プロモーション阻害作用
■１９９０年７月１７日～２２日　ドイツ・ボン
Biology and chemistory of active natural substances
｢Inhibitory Effect of Tabebuia avellanedae Constituents on Tumor Promotion」
S. Ueda1 and. H. Tokuda2
1Department of Natural Product Chemistry, Faculty of Pharmaceutical Sciences, Kyoto University, Kyoto 606, Japan
2Department of Biochemistry, Kyoto Prefectural University of Medicine, Kyoto 602, Japan
ナフトキノンの由来のlapacho（l Ⅰ）を含むタベブイア・アベラネダエの成分について、in vitroの系ではEBV活性化抑制試験、in vivoの系では、DMBAでイニシエーション、TPAでプロモーションを行なうマウス皮膚発癌二段階抑制試験にて検討を行なった。
EBV活性化抑制試験において、この植物の内部樹皮を用いたメタノールエキスに水エキスよりも強い抑制効果が認められた（表1に示す）さらにこのメタノールエキスはマウス皮膚発癌二段階抑制試験においても、顕著な抑制効果を示した。メタノールエキスで処理するとプロモーション後、20週目において、マウスあたりのパピローマの出現数は処理しない場合は8.8であるのに対して6.6となった。
また、このエキスに含まれる化合物であるlapachol自身にも、in vitro、in vivoにおいて顕著な抑制効果を示すことが明らかとなった。このような作用を示す他のタベブイア・アベラネダエの成分については現在、検討中である。