第8回 AFMC国際医薬化学シンポジウム
薗頭カップリングおよび加水分解-環化反応を用いた抗がん活性フラノナフトキノン類の効率的合成■ 2011年11月29日~12月2日 東京都
「Efficient Synthesis of Antitumor Furanonaphthoquinone Utilizing Sonogashira Coupling and Hydrolysis-cyclization Reaction」
Kazunori Ueda and Akira Iida (School of Agriculture, Kinki University), Mitsuaki Yamashita (Faculty of Pharmacy, Takasaki University of Health and Welfare)
タベブイア・アベラネダエの内部樹皮に含まれる二次代謝産物である(-)- 5-ヒドロキシ-2-(1’-ヒドロキシエチル)ナフト[2,3-b]フラン-4,9-ジオン (1) のようなナフト[2,3-b]フラン-4,9-ジオン骨格を基盤とする一連のナフトキノン 類は、特に種々の腫瘍細胞に対する強力な抗増殖活性から注目に値する。
以前、我々は野依不斉水素化還元を鍵反応に用いた1の立体選択的合成 法を報告した1。しかしながら、工業的応用にはさらなる改善が必要であった。 最近、我々は薗頭反応とそれに続く銅により触媒される分子内環化を経由 したインドールキノンの効率的な合成法を開発した。その反応条件下、ハロゲ ン化キノンは末端アセチレンとスムーズに反応し、カップリング体を与えた。この 成功した結果は、我々がこの方法論を1の改良合成法へ応用することを後押 した。ここで、我々は薗頭反応と加水分解-環化反応を鍵反応に用いた1の 効率的合成法について述べる。
市販品から4ステップで容易に合成できる2-ブロモ-3-(ジメチルアミノ)ナ フタレン-1,4-ジオンと3-ブチン-2-オールとCu2O (2当量)、Pd(OAc)2 (3mol%)、 ピリジンとのDMF存在下、室温での薗頭反応は、76%収率でカップリング体2を 与えた。含水メタノール (MeOH:H2O=1:2) 溶液中、対応するアルコールへの2 の加水分解と同時に起こる環化反応は、満足いく収率で1を与えた。
1. Yamashita, M.; Kaneko, M.; Tokuda, H.; Nishimura, K.; Kumada, Y.; Iida, A. Bioorg. Med. Chem.2009, 17, 6286.