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第43回 米国生薬学会

第43回 米国生薬学会

後期段階生成物誘発発がん作用に対する天然物由来化合物の発がん予防効果
■2002年7月27日~31日 米国ニュージャージー州・ニューブランズウィック
「CHEMOPREVENTIVE ACTIVITY OF NATURALLY OCCURRING COMPOUNDS AGAINSTADVANCED GLYCATION ENDPRODUCTS INDUCED CARCINOGENESIS」
Harukuni Tokuda
Kyoto Prefectural University of Medicine, Kyoto, 602-0841; JAPAN.
後期段階生成物(AGE)はがんを含む種々の病態疾患の起因になると思われ、糖尿病患者ではこの化合物の増加が認められている、われわれのヒト関連発がん物に対するがん予防作用の研究で、AGE(牛血清アルブミンとグノレコースの混合物)の発がん性を検討したところ、マウス皮膚二段階発がん実験モデルで顕著な発がんイニシエーション効果を認めた。100μgのAGEをSENCARマウス皮膚に1回塗布、発がんイニシエーション作用した後、1μgのTPAで発がんプロモーション作用を週2回、20週間続けた。最近われわれはいくつかの抗酸化物質を含む化合物(タベブイアアベラネダエ抽出物やベタニン)がAGE誘発発がんに対して抑制効果を示すことを認めた。この研究において発がんイニシエーション処理の前後1週間、天然物化合物を作用させると、腫瘍の発生が遅れるとともに腫瘍の発生率が減少した。これらの知見は動物を用いた抗酸化物質研究の検討とともに、ヒトでの病態の解析にとって重要と考えている。
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